ニューヨークのカウントダウン

投稿者: | 2017-09-29

ニューヨークに何度来ても、どんだけ住んでも、結局毎年

「しんどい、めんどい、参加する意義を見出せない」

と、自ら避けてきた大晦日の「カウントダウン」参加。

今年、ギリギリまで悩んだ橋本、「体力的にもテンション的にも来年以降は絶対ない」と察したことに加え、今回が2度目になる長期のニューヨーク生活では、「少しでも気になったら絶対やる」と決めていたことなど鑑み、最終的に参加を決意。

 

そうと決めたら準備はぬかりなくと、前々日から諸々とりかかる。

カウントダウン会場に一度足を踏み入れれば、ご飯を買いに行くことはおろか、トイレすらも我慢せねばならんゆえ、前々日から「絶水」。ネットで去年の参加者の、半ば脅しに近いブログを読み込んでは、「はて、なんでこんな過酷なイベント行こうとしてんだ」と自問自答を繰り返す。

 

(それでもなぜか行くこと決めた)イベント当日は、魔法の下着「ヒートテック」を上3枚、下2枚を用意。そして家を出る前、トイレの神様にお祈りした後に履いたのは、下着ではなく、「どうせこのお祭り女、なんだかんだ参加するんだろ」と踏んで日本から1枚だけ持って来た、

……オムツ。

21歳(お付き合いください。実年齢に若干の誤差があります)で履く白いそれ、

今世紀最大の違和感。

 

 

クイーンズの仮住まいを出たのが11時。

タイムズスクウェアに着いたのが11時半。

鉄柵の内側には、何時から並んでたんだろうか、若い日本人男性3人組が「なーにこんな時間に来てんだよ」ばりのドヤ顔こっちに向けて先頭を陣取っていた。

 

入口が分からずウロウロしていて辿り着いた47Stブロードウェイには、その鉄柵の内側に入ろうとする長蛇の列。最後尾にたどり着くまで10分以上かかるも、なんとかベネズエラの家族と中国人の若者の間に身を置き、その先にあるであろうセキュリティチェックの順番を待っていた。

 

 

が。

 

2時間ほど経った頃、突然そこらのシマで一番偉いと思われる警察殿が、

「ここ、閉鎖(´-ω-`)」

と声高らかに宣言。

「50Stの6Aveに回んな。ちなみに、もすうぐそこも閉まるけど、フw」

なるワールドワイドなドSを披露。

 

 

 

群衆、走る。

 

橋本、走る。

 

オムツして、走る。

 

本来オムツ、「走れる」人がする構造になっておらず、

群衆追い抜くたび、紀元後以降最大の違和感。

 

するとだ。あまりにもオムツを気にしたせいか、

今度は上半身のブラが嫉妬を起こし、

世界を動かすビジネス街のど真ん中で、人知れずホックが見事にはずれる。

軽く、今年一番の難事件。

 

こうして色んなところが色んなことになりながらも、なんとか50Stに滑り込んだ300人のうちの1人になる、21歳の蒸れオムツ。

 

が。。

 

2時間半待った頃、はたまたそこらのシマで一番偉いと思われる、さっきとは別の警察殿が、

「オイ君たち、どうしたんだい。こんなところからカウントダウン見られるわけないだろ。

タイムズスクウェアに帰んな(´-ω-`)」

 

と、ほくそ笑み、宇宙規模のドSを披露。

 

群衆、走る。

 

橋本、走る。

おむつして、ホックはずして、走る。

 

結局、一番最初にいたところに黙って立ってりゃ、もっといい場所キープできたはずの、まさかの48St7Aveに、自分の場所を確保。

 

 

そっから6時間。ただただ、ひたすら立ちっぱ、飲まず食わずで待つ。

途中、前の方から世界の歌姫「アリシア・キーズ」が

「にゅーよーく にゅーよーく この街でできないことは何もない」

と熱唱してたが、遠くからひきつり笑い思うのは、

「いやいや、橋本ホックすら直せないでいます、アリシアさん」。

 

一番辛かった「残すところあと4時間」。尿意と戦い、隣のカップルのいちゃつきに耐える。

持って来ていた「池井戸潤」作の『下町ロケット』も、今の橋本の頭ん中が「都会でおしっこ」じゃ、さすがに読む気は起きず。

 

来たことを心の底から後悔。

ニューヨーカーな友達にかけた「一緒行こう」がことごとく空振り、「人だらけで帰れなくなるぞ」と脅された時に、素直に止めときゃよかった。

一度鉄柵の外に出たら戻ることは許されない。それを了承の上、周りの参加者がどんどんドロップアウト。皮肉にも、そのおかげで徐々に前列へと進んでいく。

鉄柵の外では、ピザワンホールを「正月料金」の25ドルで売る兄ちゃん(アメリカではかなり高い)や、ホットチョコを5ドル、サンドウィッチを10ドルで売る姉ちゃん。

それでもバカ売れる。

こんな状況下、しばらく何も食べていないせいか、途中胃が痛くなってきたため、ホットチョコだけでもと、ポーチにある10ドル札に手が伸びかけたが、小腸がひたすら大反対、結局断念。

 

 

残り3時間。

辛い、寒い、トイレ行きたい。さらに、携帯の充電も残り少ない。

昨年以上にテロ対策が強化され、「荷物は最小限に」なる警告が多くのサイトで見受けられたため、携帯充電器を持って来ておらず(実際はPCも持ち込めたんだが)。携帯使えないとなると、前のカップルのいちゃつきか、32秒ごとに変わる車用の信号を見るしかすることがなく、なお辛い。

気を紛らわすがごとく考える、「日本の正月」。

あー、日本にもあるじゃないか、こういう行列。初詣。そうそう橋本、今初詣来てると思えばいい。

ま、鈴鳴らし、手を叩いた後にするお願い事は、1つ。

『トイレ貸してください』。

 

残り1時間になるまでの記憶が、全くない。今回ニューヨークに上陸してまだ半月。時差ぼけが完全に取れてない橋本、おそらく立って寝てたんだろう。が、午後11時になると、突然周りのボルテージが急上昇。遠くで力なく光り輝く瀕死の状態の「TOSHIBA」が、「残された力」を振り絞り、全世界に存在をアピール。

 

 

23時59分。待ちに待ったカウントダウン。

60,59,58,57……

今年の目標、「忍耐」。

そう考えりゃ、なんだかんだいいスタート切れました。

30,29,28,27……

と、ホッとしたのもつかの間。ゆるんだ脳みそが、このカウントダウンを「都会でおしっこ」の発射準備のそれと勘違う。

10,9.8.7……。

 

 

耐えろ橋本。年明け早々、オムツの世話になるなんて黒歴史作りゃ、一生嫁に行けん。「TOSHIBA」に負けじと残された力を色んな体の部位に込め、気を紛らわすがごとく、遠くかすかに見えるボールドロップにフォーカス。

 

2度と来るもんか、大晦日のタイムズスクウェア。みんなが声合わせ、3,2,1……

ハッピーニューイヤー。

 

 

今年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

#一生に一度は行ってもいいかもね、でもマジ二度目はないね
#カウントダウン終了と同時に全員即撤収
#余韻を感じる文化なし
#余韻を感じる余裕がないだけ
#その後の橋本?フン聞いてどうする

 

ニューヨークのカウントダウン」への1件のフィードバック

  1. 黒田

    責任感が随分強く、社会への順応性が高い。

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